アメリカの病院システムで有名なマネージド・ケアというシステム

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

アメリカはマネージド・ケアというシステムを作り出した。これは医者、病院、保険会社が患者個人や会社を相手に、決められた予算のなかで医療のサービスを行なうという制度である。しかし、このシステムでは医者はできるだけ医療を行なわないほうが収益が増えるということになるから、医療の手抜きが起きてくる欠点があるという。さらに余計な医療行為には保険会社側からは患者も医者も金を払ってもらえない。契約する個人は安い契約の保険会社を選ぶために、そこに価格競争が生まれるというわけである。

さらに決められた医者や病院でないと診療が受けられないために、日本のように大学病院に紹介状なしでも、いつでも診療が受けられるということにはならない。つまり医療のなかに価格競争が入ってくると、患者側の選択の自由がかなり制限されることになる。現在行なわれている日本の出来高払い方式の健康保険制度では、過剰な診療や投薬が問題になっているが、このマネージド・ケアなら、支払いの上限が決められているので、余計な医療行為をすれば、契約した集団の収益が減ることになる。

らに激しい競争になる

アメリカの病院では入院期間が短いというのが一般的だが、それは医療費を減らすために、入院中心の医療が外来中心の医療に移行しているということである。大学病院といえども、こういったコスト競争のなかでの医療となるために、勝ち残れなくなっているようだ。経営効率が追求され、医療に営利目的の会社が入り込めば、さらに激しい競争になる。

百年前くらいの初期には、ロックフェラーなどの財団がアメリカ医学を発展させた。第一次世界大戦後は、NIHという医学・生物学の研究組織から研究費を出すグラント制が研究至上主義のアメリカ医学の現状を作り上げ、数々の医学的進歩をもたらした。しかし、研究面では最先端を走っていたアメリカ医療も、医療保険のシステムという面ではひどい窮地に陥り、破綻をきたした。

アメリカが現代医療を引っ張ってきたことは誰もが認めるところだろう。しかし、アメリカではかなり過激な改革を続けたから、現在の医療システムに至ったのである。医療費の急騰は日本の比ではなく、一九九五(平成七)年にはGNPを指標とする国家経済の15%を占めるようになった。これは国民一人当たりに換算すれば、日本の倍の金額になる。医者も病院も巨大な医療保険会社に支配され、医者の裁量権まで失われているのが現状であるという。

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