病院の教授回診-ピリピリする神経の使う行事

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

明日が回診ともなると、教授の機嫌を損ねては自身の立場が危うくなるので、神経の使い方は並じゃない。一週間に一回というのが普通で、病院によっては五日に一回、十日に一回とまちまちで、研修医にとって、これほどわずらわしいものはないという。教授以下、医局員全員と看護婦が病棟の患者一人ひとりをまわり、治療状況を見るのが教授回診である。

何も回診でいちいち聞くことはないわけで、権威を示す以外には、たいした意味はないという。若い医者の管理を厳重にしておこうという意図もあるようだが、教授の性格にもよるが、アメリカなんかはもっと厳しく、患者の細かいデータまで把握していないと怒られるらしい。

いろいろといわれるのもしゃくなので、回診用カルテに完全なデータを書き込むために夜遅くまで書類作成に追われるという。その日がアルバイトの日に当たっていたら悲惨で、前々日にカルテを作らなければならない。翌日は眠い目をこすって出かけることになる。

担当がへマをしたら、責任を問われるのは医局長など医局の責任者である。だから回診の前日になると、ちゃんとデータを把握しておけよと、口をすっぱくしていってくるという。データ作成をうるさくいうのは大学病院だからで、一般の病院ではそんなことはない。

ピリピリするのは看護婦も同じ

ピリピリするのは看護婦も同じで、容体が悪くなった患者をそのままにして回診に当たったりすると、教授から婦長にすぐ指摘がある。看護婦の落ち度はすべて婦長の責任になるからだ。研修医とナースのコンビネーションが悪いんじゃないか。しっかりやりたまえ。婦長は怒られながら、冷や汗をかく。その反動が怖い。時には一人ひとり呼ばれて、私生活のことまで注意されたりする。それが原因で看護婦を辞めてしまう女の子もいるほどだ。
担当のナースだけでなく、その病棟全員がガミガミ、ネチネチと嫌味をいわれる。

また、どんな世界にもすぐに目をつけられては怒られる人間がいる。要領が悪く、教授回診の時の質問にオドオドしてなかなか答えられず、いつも怒鳴られてしまう。患者の前で怒鳴られては医者として立つ瀬がない。もっとも、いつも怒っている教授なら患者も慣れているので平気だが、めったに怒らない教授が怒鳴ったりするとショックは大きいようだ。

わたしは大丈夫なんでしょうかとほかの医者にそれとなく聞いたりするので、教授の虫の居所がよほど悪かったんでしょう。担当の先生は間違っているわけではありませんから、安心してくださいと、なだめなくてはならない。担当の医者への信頼をなくし、自分が受けているのは正しい治療なのかと不安を抱いてしまう。

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