外国の病院の年間手術件数のスタンダードは一〇〇件

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

経験が多いほうがトラブルの経験も多くなるので、その対処が容易になるというメリットがある。規定外のことが起こりにくくなる。心臓手術に限らず、手術件数が多い病院で難しい手術を受けるのは患者さんにとっていいことずくめ。

麻酔を受ける時間や、心臓手術の場合は、心臓を冷やして止めて、その間、人工心肺という機械につないで心臓の代わりをさせるのだが、心臓が止まっている時間が短くなるし、別の機械につながれている時間が短くなるという点でも後遺症が残らない可能性が大きくなる(もっとも、南淵先生の場合は、心臓を止めないで手術ができるという達人なのだが)。

ある心臓外科の先生によると、外国では年間の手術件数のスタンダードは一〇〇件で、それ以上でないと信頼されないという。実際、手術をたくさんやる医者は、死亡率が少ないのはもちろん、手術時間が短いので、患者さんの負担も大きく違う。通常は一日がかり(ヘタをすると徹夜に近くなってしまう)のバイパス手術を、先生は一時間ちょっとで終えるという。

大病院や専門病院をますます強くして

これまでは、どの病院でも同じというスタンスをとってきた厚生労働省が、大病院や専門病院をますます強くして、弱い病院を潟汰していこうというスタンスに変わってきたと言える。

厚生労働省は、同じ手術でも、実施施設によって異なる診療報酬点数適用されることになるなど、手術がうまい病院ほど、患者さんが集まる病院ほど、たくさんの入が得られるように仕向けている。

アメリカは、人口が日本の二倍以上、国土は日本の二五倍あるが、きちんとした心臓手術のできる病院は二五しかないという。それだけ「選択と集中」が進んでいるということなのだろうが、だからこそ、日本人より手先は不器用とされているのに、アメリカの心臓手術のレベルはずっと高いのだろう。それ以上に、日本では、病院をアメリカ化しようという動きが進んでいるようである。

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