大学病院医師の生活

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

もともと大学病院闘争の目的の一つに自由研修というのがあった。研修医の二年間は医局が身分を縛るのではなく、自由に研修させろというもの。その旗頭として、いまだに闘い続けていることになっている精神科医師連合だから、私の行動を反対できない、とある医師は語る。

大学病院の活動家の医者は、権威とか資本家のところに患者さんを連れて、徹底的に糾弾をしていた。権威や資本家は、その場では、怖いし面倒くさいから謝るが、考えが変わるわけがない(こんなことをやっても世の中は変わらないことがわからないところに、多少の社会経験のある私は、異常さを感じた)。そういうわけで、嫌気がさして、一年で精神科の研修をやめた。

「内科に行くと権力に洗脳される」とは言われたが、私は残りの一年間、内科の研修をすることになった。ついでに言うと、精神科なら人を殺さない、具合を悪くしないというのも大きな勘違いである。

精神科にかかって、よけい具合が悪くなって、仕事を辞めたり、離婚する人も少なくない。きちんと勉強しないとひどい目にあうのが精神科。

超まじめの秀才の集まりの医局

たとえば今、日本で自殺が年間三万三人出ている。その一、二割は精神科に通っている人。年間七人くらいの人が精神科にかかっているのに自殺する。日本の精神科医は約一万二人。一人の精神科医が二年に一度以上は患者さんの自殺を経験する計算になる。

さて、その一年の内科研修は二つの医局を回ったが、一つは薬屋の接待攻勢にどっぷり浸かった医局の典型例。誰もかれもアルバイトと薬屋との飲み食いやゴルフにあけくれて、指導もしてもらえなかった、もう一つは超まじめの秀才の集まりの医局で、夜の十一時過ぎまで毎日指導を受けた。

あまりの腐敗ぶりに呆れ、後者はとてもついていけないと思い、その後、精神科で戻るところもなく、国立水戸病院がレジデント(研修医を終えた後、まだトレーニングを受けられるシステム)後期研修ともいい、今後はトレンドになるというを募集していたので、そこに行くことになった、とある医師は語った。

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