閉経と妊娠の判断を間違えたある女性の話

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

・20年ぶりの産婦人科の門

ダンナは大阪に単身赴任中で、目下高校生の2人の息子との3人暮らし。子どもはいずれも名門ラグビー部に所属し、小さいながら一戸建ての家も持って、なかなか順調な人生を歩んでるといえる。C子さんは49歳の、元気な保険のセールスウーマン。そんなある日のこと、ちょうど息子たちは合宿で留守。夫が久々に大阪から戻ってきた。十数年ぶりにやってきた夫婦だけの夜に、2人はめったにない睦まじいときを過ごした。が、その翌週、C子さんは青くなった。

来るべきものが来ないのである。もしかして、ニンシン?まさかこの年で?C子さんは焦った。あのとき、夫が帰ってこなかったら、いや、息子たちさえいてくれたら。この年になって、孫のような子どもを出産するのかと思うと、気が遠くなる。40の恥かきっ子、どころの騒ぎではない。だが、後悔しても始まらない。まあ、この年になれば遅れることもあるだろう、と楽観していたが、その翌週も、そのまた翌週になっても、やっばり来る気配がない。

いやはや実に20年ぶり、待ちに待ったが、ついに6週間が過ぎ、C子さんは意を決して、産婦人科の扉をたたいた。恥ずかしいわねなんて言っているようで肩身が狭い。皆、自分を見て、いやだわ、あの年で妊娠したのかしら。まわりにいるのは20代の若い妊婦ばかり。もし妊娠していたら、やっばり堕ろすしかないのかしらと、C子さんは、暗い気分で自分の番になるのを待っていた。

こわごわ診察台にあがったC子さん

こわごわ診察台にあがったC子さんだが、彼女をちょっと触診した先生は、即座にこう言った。あ、こりゃ閉経ですね。C子さんは頭の中が真っ白になった。その後はもううわの空で、問診でなにを聞かれ、なんと答えたかも覚えていない。一般に女性は、閉経前後は非常に体調を崩しがちである。なんですって、妊娠じゃなくて閉経?

いわゆる更年期障害である。あらゆる症状が一気に出て、精神的にも不安定になり、寝込む人も多い。ごくまれに、C子さんのようにまったく気づかずに閉経を迎える人もいる。産婦人科を訪れる患者の中には、実はこうしたカン違い組もけっこう多いらしい。

記事一覧はこちら

スポンサーリンク

関連記事

no image

病院で名前の呼び出しがされるときの勘違いや間違い

病院では、同じ名字の患者さんはいっぱいいますから、たいていは、診察をお待ちの鈴木スズさん、鈴木さん。

記事を読む

no image

アメリカのレジデント時代の給料おおむね日本の研修医と同じ程度だが

日本の臨床研修のシステムは昔と比べると、かなり改善されたが、アメリカと比べると、まだまだという感じは

記事を読む

no image

看護婦が医者の昇進を左右-うまく付き合っていかないと生きていけない

国公立の大学病院では研修医は先輩から放っておかれ、自分で経験を積んで覚えていかなければならない。だか

記事を読む

no image

心臓の雑音のことをマーマーという-用語集

・ポケベル(pocket bell) 20年前に女子高生にかわいいポケベルが流行し、医者の持つ

記事を読む

no image

風邪などに抗生物質の処方をするのは過剰な治療

初期の風邪やほんの軽症なものに対しては、抗生物質の投与は過剰な治療でしょう。しかしその風邪がこじれて

記事を読む

no image

医学用語-略語や実際に会話で使われることがある言葉集

・アデノカルチ 実際の会話例としては、たとえば先輩の医師が病理の結果は何だ?と聞いた時に、研修

記事を読む

no image

終末期の定義と厚生労働省

後期高齢者終末期相談支援料は、凍結されたが、厚生労働省は医療費を減らすために、このような考えを持って

記事を読む

no image

老夫婦の愛が強すぎたために起こった夜の事件

妻は毎日欠かさず見舞いにくる。70歳になる老人が胃潰瘍でP病院に入院してきた。それも、たかが胃潰瘍の

記事を読む

no image

日本の名医と呼ばれる人の条件-多少の演技が必要

名医の条件とは何か。まず挙げられるのは、演技がうまい医者でしょう。現代社会では、医者もクライアントで

記事を読む

no image

医療経済優先の論理-利益率が多い薬の存在

各医療機関が過当競争しないような行政的配慮が必要であろうと思います。医者だって人間ですから、自分が窮

記事を読む

スポンサーリンク

スポンサーリンク

no image
医者が転勤先で苦労する人と人とのコミュニケーション

転勤をいっぱい経験した医者の話では、方言のある地域へ行くのは、大変、外

no image
医師は不倫をしやすいの!?当直という名の外泊

オバ様族の患者さんが、男性の医師の私生活を知りたがる傾向にあるという。

no image
医者の学会の費用-豪勢な噂は本当なのか?

昔テレビでドラマ化されていた、白い巨塔のイメージでそう思ったのかもしれ

no image
製薬会社と病院の癒着は本当にあるのか?

研修医として病院に出勤すると、製薬会社社員からプレゼント責めにあうこと

no image
医者が始めて打つ注射の本音とその犠牲者

医者なら誰でも、初めて注射をする日があります。ということは、最初に注射

no image
忙しくて医師求人がなかなか探せない人におすすめの会社

医師の中には、転職を考えているが、忙しくてなかなか行動に移すことができ

→もっと見る

PAGE TOP ↑