医学部の講義では治療の話はあっても実際使用の薬の話は聞けない

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

大学病院の医療が外来に依存しているわりには、外来診療をきちんと教育していない。あくまでも自分で経験して、覚えていくしかない。例えば、高血圧症は内科の外来で最も多いものだが、医学部の講義では原則的な治療の話はあっても、実際に外来で使用している薬の話を講義で聴くことはない。

医学教育のなかで病棟実習は一年間かけて行なわれるが、その間、外来を診るチャンスは信じられないくらい少ないという。本来、外来は病気を診断していく上で最も重要なところである。内科医は、たぶん最も処方するであろう高血圧の臨床的な薬の使い方は、見よう見まねでやっていくしかない。患者の面接の方法、診断の手順、処方、治療といった外来の全体の流れを知らぬまま卒業していくのが、いまの医学教育であるようだ。

ほとんど体験というレベルでの教育でしかない

例外こそ臨床であるという医学教育までは、とてもたどり着ける状況ではない。外来の臨床実習は、ほとんど体験というレベルでの教育でしかない。数分間しか診療時間のない大学病院では、診断学のテクニックまで学ぶ余裕はない。どんな患者が飛び込んでくるかわからないのが外来である。医学の教科書には載っていない、例外の患者、しかしその例外の患者が臨床では普通のことである。決められた患者しか診るチャンスのない医学実習では、教科書が正しく、目の前の患者の症状は、教科書と違うではないかという奇妙な反応を示すことになる。

医者になっても、研修医時代に外来患者を診ることができるのは、アルバイトの夜間当直のときがほとんどだ。本格的に大学病院の外来ができるようになるのは、助手という、卒業六、七年たってようやく大学の職員になってからだ。それ以前には、卒業後四、五年目くらいに外の病院へ長期出張させられたとき、外来を体験することが多い。
ここで、初めて外来で使う薬の名前を覚えることになる。だから、実践レベルの医者に成長できるようになるには、多くの年数を必要としてしまうのが現状のようだ。

記事一覧はこちら

スポンサーリンク

関連記事

no image

研修医不足と無責任な話

研修医不足と無責任な話。 本来、研修医については、基準として、研修医二・五人について一人の指導医が

記事を読む

no image

医学部へ入学するのに理想的なの人は人生経験をある程度積んだ人

人生経験をある程度積んだ人間が、医学部へ進むのが理想である。現在では、医者になってからさまざまな人生

記事を読む

no image

研究費は知名度、人脈、教授の力の見せどころ

科学研究補助金と呼ばれる金が、研究者にとっては最も大きな研究費となる。これは申請した研究内容を文部省

記事を読む

no image

サードオピニオンを別の病院で求めると安心な理由

ある総合病院では、主治医の紹介状、それまでにおこなった治療内容、今後の治療方針、検査データ、薬の情報

記事を読む

no image

閉経と妊娠の判断を間違えたある女性の話

・20年ぶりの産婦人科の門 ダンナは大阪に単身赴任中で、目下高校生の2人の息子との3人暮らし。

記事を読む

no image

病院の選び方-あなたはどういった観点で選択していますか?

医者に行こう!と思った時、あなたはどのように病院を選ぶでしょうか?さまざまな選択基準が考えられますが

記事を読む

no image

男性が結婚難と言われる時代だが原因は本人にあるかも

最近、男性は結婚難の時代だそうです。私も含めて、女性も結婚ですけれど、なかなか需要と供給がマッチしな

記事を読む

no image

医学部への受験勉強

私が、夢を持ち、医学部に入ろうと思い、勉強する気になったのは、実は、高校二年生の初めに、とある映画を

記事を読む

no image

病院の教授回診-ピリピリする神経の使う行事

明日が回診ともなると、教授の機嫌を損ねては自身の立場が危うくなるので、神経の使い方は並じゃない。一週

記事を読む

no image

娘にどんな教育方法を医者たちはしているのか

・娘にどういう教育を医者たちはしているか 結婚間近のMさんが、鎖骨を痛めて入院した。原因はゴル

記事を読む

スポンサーリンク

スポンサーリンク

no image
医者が転勤先で苦労する人と人とのコミュニケーション

転勤をいっぱい経験した医者の話では、方言のある地域へ行くのは、大変、外

no image
医師は不倫をしやすいの!?当直という名の外泊

オバ様族の患者さんが、男性の医師の私生活を知りたがる傾向にあるという。

no image
医者の学会の費用-豪勢な噂は本当なのか?

昔テレビでドラマ化されていた、白い巨塔のイメージでそう思ったのかもしれ

no image
製薬会社と病院の癒着は本当にあるのか?

研修医として病院に出勤すると、製薬会社社員からプレゼント責めにあうこと

no image
医者が始めて打つ注射の本音とその犠牲者

医者なら誰でも、初めて注射をする日があります。ということは、最初に注射

no image
忙しくて医師求人がなかなか探せない人におすすめの会社

医師の中には、転職を考えているが、忙しくてなかなか行動に移すことができ

→もっと見る

PAGE TOP ↑