医学部卒業後の進路をすぐに決めなくてすむようになった
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最終更新日:2015/10/08
医療に関する記事
研修制度の最大のメリットは、医学部を出てすぐに自分の進路を決めなくてすむようになったことだとされている。この研修制度が始まる前は、医学部を卒業した時点でどこかの医局に入らないといけなかった。要するに、自分が産婦人科に合っているかどうかとか、産婦人科の仕事がどのくらい大変かとか、社会のニーズがどのくらいあるのかなどがわからないままで産婦人科医になることを決めないといけなかった。
学校の勉強や国家試験の対策を優先させたほうが得策だ。多少なりと、しておくべきことがあるとしたら、在学中のほうが有利なので、アメリカの外国人向けの医者の免状の試験をとっておくことだろう。
臨床研修制度では、研修医が終わってから就職先を決めるシステムになっている。大学の医局に入るにしても、普通の病院に就職するにしても、研修医を終えてからでよくなったのだ。この差は、実はかなり大きい。
医者をやってみないとわからないもの
自分が何科に向いているかだって、医者をやってみないとわからないものだ。そして、今の研修のシステムは、二年かけて(外添という、ものを知らない大臣が「一年にしよう」などとわけのわからないことを言っているのが気になるが)いろいろな科を回って医師としての総合的な力をつけようというプログラムで、その後、何科になっても、ある程度対応できる(外科か内科くらいは決めておいたほうがいいが)ようになっている。
医者の世界の見え方は、実際に研修医として働いてからと、まだ学生でいるときとでは、ずいぶん違うものだ。どのくらい自分の時間がつくれるかとか、おおむねの収入など、今後の人生設計において重要なことがいろいろとわかる。
研修医になる前の準備として必要なのは、あらかじめ何科になろうと決められる能力でなく、医師になってから、世間のことや患者さんのニーズなどをしっかり知ったり聞いたりできるような情報収集能力やコミュニケーション・スキルを身につけることである。
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