医療格差と情報の意味-治療をおすすめしても治りたい意欲なし

公開日: : 最終更新日:2016/03/07 医療に関する記事

「どうせ生きていてもいいことがないから」「一生、貧乏だから」「一生、結婚できないから」と自棄を起こしている患者さんは、医者の言うことを聞かない可能性が高くなる。たとえば、糖尿病の患者さんが、この手の自棄を起こせば、「長生きしてつまらない人生を送るより、好きなものを好きなだけ食べて、多少、早死にしてもかまわない」ということになってしまう。これでは、なかなか、色々と難しくなってくる。

意欲の格差も、先々問題になるかもしれない昔であれば、貧しい人のほうが「金持ちになりたが、今は、貧しいがゆえに将来のことをはなから諦めている。医者にしてみれば、治りたいという意欲が低い患者さんはかなり困る。

血圧の高い人に塩分を控えさせたり、普通の患者さんにタバコをやめさせるのも、かなり難しくなる。自堕落なアルコール依存の患者さんを治すのは大変難しかった。そういう自堕落な人が、格差社会になると増えていく可能性がある。

格差社会というのは、医療の世界でも、これまでになかったさまざまな問題が起こる可能性は大きい。そして厚生労働省も財務省も、医療費はなるべく使いたくないという路線だ。おそらく、貧しい人の医療はかなり悲惨なものになるのではないか。

日本の医療においても格差は存在

早く死にたいのなら、そんな人に無駄な治療をする必要がないとか、むだな医療をする必要がないと思うかもしれないが、糖尿病の人が食事制限できなくてもすぐに死ぬわけではない。おそらく腎臓が悪くなって透析をする。すると、それなりに生き延びることになる。結局、医療費がよけいにかかってしまうのだ。

格差と言っても、たとえばアメリカのように収入によって加入できる保険に差があり、その加入した保険によって受けられる治療内容が違ってしまうといった不平等が存在するわけではない。国民皆保険のある日本では、貧しい人も欲すれば原則的には裕福な人と同じ診療が受けられるはずである。

日本の医療においても格差は存在し、年を追うごとに顕著になっていくのだ。また、アメリカにおける格差社会の医療の現実を知りたい人は、マイケル・ムーア監督の『シッコ』がDVDになっているので、それをぜひ見てほしい。

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