医師国家試験の合格率は医学部のレベルを反映しなくなった

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

いまさらながら、新設医大の果たした役割を考えてみると、日本の医療事情が見えてくる。多くの新設医大は、首都圏の近郊に多く、既設の医学部に比べれば立地条件は悪い。同じ頃、ファミリーレストランのチェーン展開が始まったが、やはり車での来客を狙ったものだった。しかし、比較的広く土地が確保できたことから、車を使っての来院が多い。広い駐車場が特徴といってもいいかもしれない。

卒業生は国立系大学の医者より従順で、患者さんへの当たりもいい。おかげで、地域での医療には必要なものと評価されてきている。しかし反面、そのなかで働く医者への負担が大きくなったことは否めないようだ。

既設の医学部は他の医療施設からの紹介を中心に医療を行ない、専門性を高めていた。新設医大は自治体からの補助金を得るために、救急医療や夜間外来など、公立の病院では労働組合の関係もあってできなかったことを、どんどん受けていった。そういう意味では新設医大は研究施設というより、その地域での総合病院的議要素が強くなっているという。

医師国家試験の合格率はみな一様に

合格率が医学部の医大の医師国家試験の合格率が極端に悪かったことから、その合格率が医学部の評価と考えられた時期もあった。しかし、新設医大でも懸命に医師国家試験対策、さらに入学者のレベルアップを行ない、医師国家試験の合格率はみな一様になってきた。昭和四十五年頃に設立された私立医大の数多く作られた。創設者の一部は開業医から出発して病院を作り、その最終的な医療機関として、医科大学を作り上げた。

そのために現在では、医師国家試験の合格率は医学部のレベルを反映しなくなったと同時に、マスコミも新設医大に対する興味を失ったかのように見える。非常にわかむやすい医師国家試験合格率というバロメーターを失ったために、マスコミは医学部への評価方法をなくしてしまったようだ。医療や研究内容のレベルまでチェックしきれないためだろう。

同時に医者の収入の落ち込みが激しく、勤務医なら、一流会社の社員の収入とあまり変わらなくなり、マスコミが話題にする医者は儲かるという切り口もダメになってきたようだ。

記事一覧はこちら

スポンサーリンク

関連記事

no image

セカンドオピニオン-転院して急激に回復したある患者の例

セカンド・オピニオンを他の医療機関で聞くほうがいいという典型的な例を紹介します。医者であるGさんの九

記事を読む

no image

大学病院の専門医が生き残る手段だという発想について

専門医が、大学病院で生き残る手段だという発想が、すでに現状の医療とは違ってきているのではないだろうか

記事を読む

no image

医師不足の原因-大学病院へ行けば相変わらず外来は混んでいる

大学病院へ行けば、相変わらず外来は混んでいるし、いっこうに待ち時間は減らない。たしかに現場では、いま

記事を読む

no image

当直勤務-枕元に患者が立っていたり眠れてもせいぜい二時間

自分の医局で月に四〜五回、アルバイトで週一回は必ず当直をする。当直は午後五時から、翌朝ほかの医師が出

記事を読む

no image

心臓の雑音のことをマーマーという-用語集

・ポケベル(pocket bell) 20年前に女子高生にかわいいポケベルが流行し、医者の持つ

記事を読む

no image

日本の名医と呼ばれる人の条件-多少の演技が必要

名医の条件とは何か。まず挙げられるのは、演技がうまい医者でしょう。現代社会では、医者もクライアントで

記事を読む

no image

美容整形のリスク-必ず手術同意書にサインを求められる

美容整形の場合、異物反応による発熱とか痛みを、手術した側のミスとは考えない。そうした場合、再手術をし

記事を読む

no image

医学部入試問題の傾向を知る

やっている勉強の中のむだというのは(もちろん、学力がつくという意味では、まったくのむだということはな

記事を読む

no image

研究、教育、診療の3つをうまくやっていくことは不可能という意見

学会発表の内容は学会レベルではチェックするが、第三者機関でチェックするようなことはない。同じような学

記事を読む

no image

病院にやってきたホームレスに苦戦した医師たち

年齢不祥、髪は脂とホコリでべとべと、おまけに目にツーンとくるほどの異臭を漂わせた、典型的なホームレス

記事を読む

スポンサーリンク

スポンサーリンク

no image
医者が転勤先で苦労する人と人とのコミュニケーション

転勤をいっぱい経験した医者の話では、方言のある地域へ行くのは、大変、外

no image
医師は不倫をしやすいの!?当直という名の外泊

オバ様族の患者さんが、男性の医師の私生活を知りたがる傾向にあるという。

no image
医者の学会の費用-豪勢な噂は本当なのか?

昔テレビでドラマ化されていた、白い巨塔のイメージでそう思ったのかもしれ

no image
製薬会社と病院の癒着は本当にあるのか?

研修医として病院に出勤すると、製薬会社社員からプレゼント責めにあうこと

no image
医者が始めて打つ注射の本音とその犠牲者

医者なら誰でも、初めて注射をする日があります。ということは、最初に注射

no image
忙しくて医師求人がなかなか探せない人におすすめの会社

医師の中には、転職を考えているが、忙しくてなかなか行動に移すことができ

→もっと見る

PAGE TOP ↑