医者の免許を持っていれば二年の臨床研修で何科でも開業できる
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最終更新日:2017/01/31
医療に関する記事
医者の免許を持っていれば二年の臨床研修で何科でも開業できる。
地域医療をやっていれば、内科医だって小児科の仕事をやらないといけなくなるし、高齢者が多いなか、総合診療のトレーニングを受けることにもなる。大学病院でしか働いたことのない医者よりよほど安心できる。
日本の場合、医者の免状を持っていれば(今は二年の臨床研修を受けないといけなくなったが)、何科でも開業できる。それを、開業を認可する際に、地域医療を最低三年はやっていないといけないと義務づけるなどすれば、医者たちは開業前に地方で働かないといけなくなる。開業の条件づけについては、まじめに検討されたらしいが、結局、流れてしまったようだ。これは意外に現実的な方法だし、開業後の患者さんにもメリットのあることだ。
地方の医者不足を嘆いているだけでは何も解消しない。国がきちんとした政策をとれば、そうでなくても医者余りの時代が始まりつつあるのだから、地方の医者不足もそんなに難しくなく解消できることだろう。
医者をめざす方たちにとって
医学部の定員は毎年約八〇〇〇人、亡くなる医者や辞める医者を考えると、約三〜四〇〇〇人ずつ医者が増える計算になる。日本の医師数が約二五万人ということを考えると、毎年一〜二%の増加ということになる。
医者をめざす方たちにとって、医者の世界とはどういう世界なのか、医者の世界の将来はどうなるのかは気になるところだろう。たとえば、医者の世界で話題になっているのは、医者不足である。これについて皆さんは、なぜだと考えるだろうか。まだまだ医者は足りないのだから、いつリストラに遭うかわからない普通のビジネスマンになるよりは有利だとか、稼ぎたいのなら医者、と思う人もいるだろう。だが実際は、そう甘くないのは数字で考えればわかるはずだ。
日本は今のところ医療費の抑制政策をとっているので、医療費の伸びは医者の伸びよりかなり小さく抑えられている。ということは、長期的に見ると医者一人当たりの医療費(よその業種なら一人当たりの売り上げ)は少しずつ減っていくことになる。
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