看護職の仕事はどう変わる?-活躍する場は広がってくるが問題も多い

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

高齢者の在宅医療を進めていこうとするこれからの医療では、医者より看護婦が活躍する場は広がってくる。そこには独立して仕事ができる場もある。医者から干渉されない専門の仕事ができれば、看護婦も開業という大きな目標を持つことができる時代はそれを要求するだろうが、医師会などからの反発が予想される。

介護保険で活躍するであろうケアマネージャーの試験には看護婦がかなりの数、受験していた事実は、いかに看護婦が医療現場で裁量権を持たないことに不満を感じているかということを的確に表している。大学病院のような高度医療になれば、専門的知識を持った看護婦も必要になるのは当然であるが、臨床で患者が望むことは、そういった看護婦ではなく、思いやりがあってやさしい言薬をかけてくれる看護婦である。

日本看護協会では専門看護士の認定を行なっている。精神看護、ガン看護、地域看護の三つの分野がある。さらに助産婦などの資格を取ろうとする者も多い。上昇志向の強い看護婦は、自分の技術を専門性のあるものにしようと考える。しかし、眼りなく医者の立場に近づこうとすることは、けっして看護婦の将来を明るくするものではないようだ。

医者と同じように、あまり専門化が進むと、患者の要求と次第にかけ離れてしまう。そこに看護婦の仕事や存在の本当の意味が隠れているように思える。結局、医者と同じように、研究と臨床を分けて行なうようなシステムを作る必要があるのかもしれない。

看護職は肩書きの少ない仕事で

医者の場合は研究という評価があり、それが大きな仕事の意欲になっているが、研究をしにくい看護学では、いかにやる気を維持するかは大きな問題である。患者からの感謝という非常に抽象的な表現で逃げているのが現状だろう。
能力別の評価がないために、やる気ある看護婦のやりがいを失わせ、次第にその環境はマンネリ化していく。看護職は肩書きの少ない仕事である。

研究をすることが、大学病院の医者の出世とリンクしている状況とはだいぶ違う。同じような仕事の多くなる外来診療などで、彼女たちのやる気を維持させるのは容易ではない。

研修などで勉強をしていくが、その勉強の先にあるものは自己満足しかなく、優秀な看護婦を評価するシステムは存在しない。あるいは優秀であってもできる仕事に制限を受けてしまう。主任、婦長という肩書きくらいしかないために、出世していくという満足感が得にくい。そのために臨床をやっていくこと自体に喜びを見い出さねばならない。

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