健康診断の結果が怖い-ささいなデータの変化に一喜一憂

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

最近、増えているのが健康診断の結果を手にして、ささいなデータの変化に一喜一憂したり、医学的にあまり意味がない検査成績を過敏に気にする人たちです。健康診断や人間ドックの情報があふれ過ぎて、現在何かの病気で病院に通院中の人も健康診断を受けに行きます。こんな人がいらっしゃったようです。働き盛りのがっちりした二〇代の男性です。ある健康診断会社のコンピュータの検査成績の打ち出しを持って来院されました。そして、診察室の椅子に座るなりこう言われるのです。私はコレステロールが高いのです。今、治療しないと脳卒中や心筋梗塞にならないでしょうか。

確かに彼の持参した検査成績を見ると、コレステロールのところにだけ、H(High)のマークがついていました。しかし他の脂肪の検査を含めて、あとはすべて正常値たったといいます。Hのついている彼のコレステロール値は二二二でした。結論から言えば、まったく心配はいりません。その健康診断会社のコレステロールの正常値は一三〇〜二二〇で、コンピュータで診断するものですから、二多いだけでもHマークや※がついてしまいます。しかし健康診断の会社を代えたり、正常値の値を異なってとらえるだけで変わってくる結果です。

健康診断の目的が異なる場合は意義がありますが

高血圧で治療中の人が胃癌検診を受けに行ったり、糖尿病の治療中の女性が婦人科的検査を受けるなど、今かかっている病気と健康診断の目的が異なる場合は意義があります。しかし、高血圧で循環器の専門医にかかっているのに、循環器の検査を健康診断として受けるとか、胃潰瘍の治療を消化器内科でしている最中であるのにかかわらず、別の病院で胃カメラを施行してくるなど、検査の重複や無駄が多いのにも驚かされます。

A病院に通院中なのに、B病院で健康診断を受けたらC病院を紹介されてしまい、薬が重なってしまったなどという話もよく聞かれます。一人の患者さんの診察や検査の結果などの医療情報があちこちの病院に拡散してしまい、はなはだ効率がよくないと思います。このことの予防策としては、患者さんが自分の健康は自分で守るという視点に立って、自らの医療情報をコピーなどで保管・自主管理することであると思います。

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