純粋に研究論文だけを掲載する商業誌は日本では非常に少ないらしい

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

日本の医学商業誌のほとんどは、医学的な特集を組んで、その道の専門家や権威者に原稿を依頼する。例えば、肺炎というテーマについて、各医学部の権威者に論文を書いてもらうというやり方である。読者にとって、そういった最前線の研究者の意見を知る重要な情報源となる。ただし、純粋に研究論文だけを掲載する商業誌というのは、日本では非常に少ない。

また商業誌のなかには新薬治験のデータを専門に載せるような雑誌があり、その雑誌には製薬会社が出資しているケースもある。つまり日本ではネイチャーサイエンスといった、掲載された論文が世界的に評価を受けるような商業誌は存在しないということだ。

サイエンスやネイチャーといったノーベル賞を受賞するような論文が掲載される雑誌は、学会が作っている雑誌ではない。ところが、日本でいう商業誌はまったく意味が違う。日本では一流の学会誌に掲載されることが、研究論文として大切なこととなる。しかし、世界レベルで考えるなら、権威ある商業誌に掲載されるほうが、意味がある。つまり、日本では商業誌というものが、いかに学問的価値がないかということである。

日本の医療のスタンダード

一般の医者が知りたいのは、日本の医療のスタンダードである。日本の医療の実態、治療の方針を一般の医者は知りたいのだが、そういった協力体制はジッツがらみの原稿依頼と、調査をする金がないためにできないのが現状のようだ。したがって、商業誌に書かれる内容も、自分たちが行なった少ない症例での結果や、海外での研究データを述べているにすぎないらしい。

医局にいる医者にとってみれば、論文の数だけを稼ぐという点で、商業誌に論文を書くのは都合がいい。商業誌の編集委員も特定の学会のメンバーで仕切っていることが多いので、自分たちの仲間の人脈で、論文の原稿依頼をする。
商業誌から原稿依頼が来れば、自分が研究会で認められたということである。安い原稿料でなぜ原稿を書くかといえば、論文の数かせぎと、自分の名前を他の研究者に知らせるというメリットがあるからだ。

基本的には、医者も原稿料はいらないから、有名な商業誌に書きたいと思っている。そういった利害が一致して、商業誌の原稿は書かれていく。肝炎の特集ということであれば、肝炎を研究している教授のところへ原稿依頼が行き、ときには教授は自分の部下に書かせることになる。そういった有名な教授たちが書いた特集に、自分の名前を連ねることは書く側のメリットになる。

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