研究熱心なある医師の毒味の楽しみ

公開日: : 最終更新日:2018/05/01 医療に関する記事

研究熱心なある医師の毒味の楽しみ。
R内科のすぐ近くで喫茶店を経営するUさんは、開業当時からの患者である。気さくで明るいR氏の人柄が、Uさんは好きだった。内科を開業しているR氏は、新薬は必ず自分で飲んでみないと気がすまない性分である。効果のほどを確かめてから、初めて患者に出すのだ。

このR内科では漢方も処方する。患者にとっていいものは、洋の東西を問わず積極的に取り入れようとするのが、R氏の信条だ。ある日、Uさんの店で酒を飲んでいたR氏がやけにトイレに行く。聞けば、新しい整腸剤が出たから試しているんだが、これはちょっと効き目が強すぎるなあと笑っていたりする。あきれながらもUさんは感心することしきりだ。

さて、いつものように昼休みにUさんの店に来たR氏。すごい発見をしたんだよと、R氏は子どものようにキラキラ目を輝かす。うれしくてしかたがないという顔で、珍しくヨーグルトドリンクを注文した。そして、おもむろに漢方薬を一服取り出して口の中に入れ、次いでヨーグルトドリンクをゴクン。

R氏のようなケースは特殊

うまいんだなあ。アイスクリームでもいい味なんだよねえなどひとくさり。これあきれるUさんを相手にR氏は、T社の19番〇×薬が口に残っているうちにヨーグルトドリンクを飲むと、シナモンの香りがほのかにしてうまいんだよ。この19番とこれがすごく合うんだよ。

実は、R氏のようなケースは特殊である。患者に出す薬について、医者がすべて知っていると思ったら大間違い。なにしろ薬の種類も数も膨大な上、同じ成分のものでもメーカーによって名前がひとつひとつ違うのである。R内科医41歳。無邪気に解説を続けるR氏を見ながら、ひょっとするとこいつ、患者思いというより、ただの薬オタクなのかなあ。Uさんはそう思った。

これが大学病院などなら、先輩たちの処方薬を勉強する機会もあるだろうが、開業医ではそうもいかない。毎日の診察に追われる医者に、全て覚えるヒマなどあるわけがない。では医者は患者に処方等を出すときに、どう説明しているのだろうか?たいていは、製薬会社のプロパーのセールストークを鵜呑みにしてしまう場合が多いという。

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