後期高齢者終末期相談支援料

公開日: : 最終更新日:2016/02/01 医療に関する記事

凍結されているが、後期高齢者終末期相談支援料の新設が行われた。七十五歳以上の高齢者が、終末期と診断された場合、医師と相談し延命治療の有無などの希望を文書で示すと、診療報酬二〇〇点が病院に支払われることになったのだ。この延命治療というのが、輸液、中心静脈栄養、経管栄養(胃ろうを含む)、昇圧剤の投与、人工呼吸器、蘇生術とのことである。

大学病院型医療より地域医療型で地域の診療所の医師が患者さんを一人の人間として診る医療が発達している長野県では、老人医療費が日本で最低なのに、男性一位、女性五位寿県になっていることから見て、高齢者にコスト・エフェクティブな治療ができるという。これは大変良いことであろう。

高齢者の終末期患者に、これらの医療行為をするとお金がかかるので、しないという患者さんを少しでも増やすための制度と言えなくもない。医療費の削減圧力がかかれば、「医師と相談」ではなく「医師が説得」ということにもなるだろう。末期患者のスパゲティ状態などが問題になっていることもあり、末期の人にこんな治療をしなくてもいいではないかと思う人も多いかもしれない。これは、なかなか難しい問題なのかもしれない。

水分が足りないとき

水分が足りないときに点満をするとか、中心静脈栄養や経管栄養で栄養を補給するというのは、どちらかというと通常の医療行為だ。これをやる、やらないについては、終末期の定義が大事になってくる。

死にかけて血圧が下がってきたときに昇圧剤を使うとか、自発呼吸ができなくなったときに人工呼吸器を使うとかは、われわれ医師から見ても、十分、終末期医療と呼べるものである。これについては、患者さん(というか、多くの場合、家族が)が無理な延命治療を望まないという意思をはっきり示された場合、控えることは時にある。

たとえば、日本尊厳死協会の研究班は、終末期を「不治(と判定された)時から死までの時期」とし、「不治」を「あらゆる治療行為に効果が期待できず、死への進行が止められなくなった状態」と定義している。すると、医学が治すことのできない、とくに進行性の病気にかかった人は、その病名が確定した時点で終末期ということになる。

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