メディカルモールといわれる病院ビルはどうなのか

公開日: : 最終更新日:2016/10/03 医療に関する記事

開業するよりはるかに収入が少なく、夜中の勤務など忙しいことの多い中小病院(とくに地方の)がますます医者不足になっている。こんな話を書くと、自分もビル開業ならやってみたいと思った人は少なくないだろう。それはそれで考え方である。

メディカルモールといわれる、たとえば眼科や耳鼻科や内科の開業医が入って、一階は調剤薬局というような、いろいろな科に回れるような開業医がいっばい入ったビル。こういうビルは比較的患者さんが集まりやすいし、開業資金も、昔のように土地を買って建物も建てるという頃よりは、通常は貸しビルなので、ずっと安くてすむ(だから、何年も忙しい病院で我慢して働く必要がない)。自宅と診療所が別の場所にあるので、夜中に叩き起こされることもない。そういう事情で、どんどん開業する人が増えている。

しかし、厚生労働省も、それが医者不足の原因だと分析しているので、この手のビル開業がそれほどの収益をあげられないような保険の点数の改正(日本の場合は、一つひとつの手術や病気の治療に対して保険の点数が決められていて、それによって収入が決まる)を行うものと予想されている。だから、ラクでもお金にはならないと心しておいたほうがよい。

余っているものは安く買い叩かれる

ただ、足りないものには高い値段がつき、余っているものは安く買い叩かれるというのが市場原理である。つまり、ある程度忙しいのを覚悟で、足りない分野の医者になれば、少なくとも金銭面ではリッチになれる。

もちろん、患者さんとのコミュニケーションもいろいろととれるだろう。往診も当たり前に行うことになるが、現在は都会でも寝たきりのお年寄りのための往診のニーズは多い。そういう点では、僻地診療は、お金のためというより超高齢社会型の医師のトレーニングとも考えられるからお得なのである。

高度な技術は身につかないかもしれないが、お金の面で恵まれるだけでなく、患者さんの悪いところをあちこち診ることになるので、専門バカにならずに、簡単なものなら耳鼻科でも皮膚科でも診られる医者になれるし、ある臓器だけでなく患者さんの全身を考えて診察できる医者になれる。まさに、これこそが超高齢社会で求められている医師である。

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