認定医制度への疑問-差し当たってメリットはないという意見も

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

認定医や専門医の資格は、いまや大学病院にいる医者の大きな目標になっている。医学博士論文をだいたい卒業後六年目で書き、医学博士となると、次なる目標が認定医や専門医ということになる。ここ十年以上くらいの間に、各学会が独自で認定医や専門医の規定を作った。

その受験資格は学会によってかなり差がある。内科学会専門医では、自分が受け持った患者のなかから、規定の病気と例数をレポートにまとめて提出する必要がある。さらにペーパー試験を受ける。受験資格として決められたいろいろな病気を受け持つことができない場合もあり、そのときは仲間同士で症例を交換して、症例のまとめを作っているのが実情である。

医学が細分化し、医者が専門性を強く持つようになってから、その医者の専門性を評価するために、各学会が、一定期間学会員であるという条件を設けたり、試験をすることによって認定医制度を作った。学会によっては認定医の上に専門医制度を作り、さらに差別化しているところもある。実際に受け持たなくても、そうやって症例数をごまかして受験資格を得ていることもあるらしい。

認定医制度は学会の状況を変えてしまった

これも学会によって違うが、認定医となってからさらに試験をやって、専門医という資格を作っているところもある。認定医制度は学会の状況を変えてしまった。というのは、認定医を取得したあとも、五年に一回の更新をするために学会に出席し、五十点以上の単位を取得し更新していかなければならない。そのために一昔前には、内科学会はほとんど参加者がいなかったにもかかわらず、いまでは、非常に大人数が参加するようになった。

いずれにしてもその書類作りの労力はかなりのもので、専門医や認定医を受験するとなると、それなりの受験勉強が必要になる。ただ臨床をやっていれば受かるような試験でもないために、医者になってから受験用の勉強をすることになる。

この資格を持っているからといって、差し当たってメリットはないようだ。悪くいえば、医者の自己満足の資格である。医者に強制的に勉強させるというシステムとしては評価すべきかもしれないが、開業したり、勤務医となった場合、平日に行なわれる学会へ参加するのは大変である。それほどまでして、何のために専門医の資格を取るのであろうかという意見は多い。

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