脳死、安楽死の問題-早くラクにさせたほうがいいのか

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

脳死と並んで問題にされているのが、いわゆる安楽死、尊厳死である。口腔ガンや鼻腔ガンは末期にはほかのガンより苦痛が大きく、あまりに苦しがるのでラクにして欲しいと望む家族も多い。ガンなどの末期症状で鎮痛剤も効かず、苦しみの中で死を待つばかりの患者をどうするか。

早くラクにさせたほうがいいのか、一分一秒でも長生きさせたほうがいいのか、どちらが、医者の務めであるかは意見が二分されている。家族が望むのであれば、どうせ死ぬのだから早くラクにしてやったほうがいいという意見も多い。医者の多くも同じように考えているようだ。

不透明な脳死問題

長い間、物議をかもしていた脳死問題に決着がつき、一九九七年に購器移植法が制定された。脳死の状態の患者から臓器を取り出し、移植することを認めてもいいと思っている人もいるだろう。しかし、そこで問題になるのは病院側・医師側が、本来死んでいる患者だけを脳死にするかどうかである。

呼吸させ、心臓を動かすのは脳の働きである。しかし現代医学では、脳が働きを停止しても、人工呼吸器と中心静脈栄養によって心臓を動かし続けることができるのだ。脳死はまさに現代の医療が高度化した結果であって、本来呼吸が止まれば心臓止まり、脳も働きを停止するものである。無理やり呼吸させ、無理やり心臓を動かすのである。

救急患者の受け入れに難色を示すような医療機関が、脳死者からの臓器移植に積極的であっては、一層懸念が深まる。とかく医療行為については一般の人にはわかりにくく、不透明な部分が多い。だから、脳死を認める方向に抵抗する流れがあったことは理解できる。何らかの処置をしていれば蘇生したかもしれない患者に対し、すべき処置をせずに移植のために脳死させてしまう危険が皆無とはいえない。

それに、病院や医者を完全な形で監視することは不可能である。しかし、脳死者からの移植によって、助かる生命が何百、何千人いるのも確かなことである。脳死移植に関しては、ドナーのプライバシー保護や、脳判定の手続きミスなど、問題が山積みしており、今後の成り行きを見守っていきたい。

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