脳死は人の死という問題点から

公開日: : 最終更新日:2015/12/09 医療に関する記事

脳死が生じるのは、これまで健康だった人が脳卒中や交通事故に遭うというときがほとんどである。他人の不幸を待って自分が助かることを考える(人間だれしもそう考えたくないが、自分が移植でないと助からないと思っている人にとっては、そのくらい切実な問題なのである)医療であることは事実と言わざるをえない。これは、きれいごとだけでは済まされないことである。

アメリカでは、臓器を提供する側にやむにやまれぬ事情があることは少なくない。アメリカの救急医療費は高い。人工呼吸器などをつければ一日で何十万円も飛んでいくことになってしまう。ところが脳死になって臓器を提供すれば、その分の医療費を移植を受ける側が提供することになるのである。

「脳死は人の死なのだから、人を助けるために臓器が使えるのなら、使うほうが人道的だ」という考え方が当時は主流だった。しかし、救急現場の医者たちや家族がそうそう納得できないから、成立してから心臓移植については、年間一〇人以上行われたことがないという。これは驚きである。

脳死判定が救急の現場で行われづらい

アメリカでは年間二〇〇〇例以上の心臓移植が行われていることを考えると、いかに日本では脳死判定が救急の現場で行われづらく、また臓器の提供に抵抗があるかがわかる。ただ、これは日本人が脳死移植に理解がないというだけの問題ではないだろう。

アメリカの心臓移植が高い理由は、きれいことばかりではない。結局、体のよい臓器売買と言えないわけではない。脳死法案が一九九七年死が判定されず、たとえ、現場のスタッフや遺族は、犠牲を払っているのである。これは、分かっておかなければいけにだろう。

生体腎移植にしても、健康な人が身内を助けるために二つある腎臓のうちの一つを差し上げる行為だ。生体肝移植についても、健康な人が自分の肝臓の一部を差し上げる行為である。もちろん肝臓にしても腎臓にしても、提供した側が死亡することは滅多にないし、その後もおおむね健康に生活できる。

ただ、腎臓の場合、たとえば腎臓のがんになった際に予備が一個ないというのは、本人にとっては大変なことであり、かなり不安なことではあるだろう。

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