死刑囚から移植を受けることについて

公開日: : 最終更新日:2015/12/17 医療に関する記事

どんな重症でも助かるかもしれないと思って治療を続け、呼吸が止まっても人工呼吸器をつける。それを脳死かもしれないということになれば、脳波を調べたり、ためしに人工呼吸器をはずしたりしないといけない。

そして、脳死と判断されれば、今度は心臓が動いていることがわかっていてもーつまり脈も触れ、体も温かいのにー治療を打ち切る。そして、亡くなったと家族に伝えることになる。

伝えられる家族のほうも、そのような状態で死んだと受け入れるのはかなり困難だろう。多くの遺族が、すぐに死んだと受け入れられない場合が多いという。

腎不全であれ透析であれ、それだけ気分の悪いものだ。これまでは近親者であると名乗りを上げれば人物の確認をしなかったのが、これからはきちんと確認するようになるという。これで、もし腎移植が減るとすれば、実際は同じような近親者でもない人間が臓器を提供していた(おそらくはお金をもらって)ケースが減った数だけはあったということを意味する。

どのみち死ぬに決まっている、死刑に相当する人間が、最後に一度くらい人助けをしてもいいではないかーという考えも成り立つ。死刑囚の臓器など、もらいたがる人はいないだろうと思うかもしれないが、それでも欲しい人がいるほど苦しい病気なのだということを知ってほしい。

臓器売買は言語道断であるが

移植を受けられる人間が減るという側面もある。もちろん臓器売買は言語道断であるが、たとえば中国のように死刑囚からの移植はどうなのなどという問題はまじめに考えないといけない。

実際、死刑囚から移植を受けるために中国などに行く人は少なくない。移植医療そのものが、そういう性質を有するものだということだ。たとえば、脳死移植にしても、死んだ人間からの移植だし、外国でもやられていることなのだから、そのために人が救われるのならいいではないかと考えるかもしれない。しかし救急医療の現場では、そうは言っていられないところがある。

認めるということになったのは、あくまで脳死移植によって助かる命があるという考えからだ。あるいは、移植以外に助ける道がない患者さんがいるからだ。このため、移植を待つ患者さんやその支援団体がマスコミにしょっちゅう登場し、結局、脳死移植を認める法案が日本でも成立したのだった。

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