治療が正しいことだったかどうかの判断

公開日: : 最終更新日:2016/01/04 医療に関する記事

医者でさえ判断に迷うのが実態なのに、裁判所が勝手に判断して、そのやり方をしないと逮捕というのでは、医療行為の専門性はどうなるのだということになる。

ある意味では、判決でさえも問題は抱えている。というのは、あるの判決は医者のとった治療方針が誤りでなかったから無罪にしたことになっているわけで、逆に言うと、誤りだったら有罪ということにもなる。

子宮を摘出しないで胎盤剥離にこだわったために、大量出血を起こして死んだから逮捕された、ということが過去にあった。もし子宮を摘出するという判断をしたとしても、逆に死なない可能性があったのに、子宮を取られて子供が産めなくなったと訴えられる(ただし、この場合は刑事でなく民事だろうが)可能性だってあるのである。

誤りかどうかを決める基準がない。判決でいくと、治療方針が正しかったことになるので、患者さんの側は民事で訴えることができなくなってしまう。裁判所が「治療が正しかったかどうかの判断を刑事ではしない」というスタンスでいれば、患者さんの側は民事で争うことが可能だったのだ。

診療関連死で死因がはっきりしない場合

また、診療関連死で死因がはっきりしない場合は届け出が義務づけられ、それを怠った場合、罰則が科せられる。その調査の結果、故意や重大な過失だった場合は、事故調から警察に通報することになっている。

日本の場合、民事で裁判をすると強制捜査権がないため、証拠がうやむやにされることも多いとされる。そこで、厚生労働省などは事故調(医療事故調査機関)といわれる調査機関を設置する方向を打ち出している。この調査機関の最大の問題点は、基本的に調査結果が刑事処罰を前提にしたものであるということだ。

とにかく、病院で患者さんが亡くなり、死因がはっきりしない場合は、医師を罰してやるぞと言わんばかりの内容だ。これはどうなのだろうかとは思うが。どちらにせよ、届け出を怠ると罰せられるのだから、「死因がはっきりしない」と思われる可能性のある病院死は、罰則をおそれて全例、事故調に報告することになりうるだろう。

色々と課題がありそうである。

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