夜間救急病院の実情-急患をイヤがる色々な理由や事情

公開日: : 最終更新日:2015/10/08 医療に関する記事

医者の多くは死に対する感慨をなくしてしまうようである。極めて醒めた感情で人間の死に対しているようだ。一時的に持ち直したとしても、どちらにしても助からないと判断した場合、患者の年齢、患者に対する家族の思いを考慮するクセがついている。

当直は、病院が大きくなればなるほど人数が増え、またいろいろなことが起こる。病院では入院患者の容体急変や救急患者に対処するために、医者が泊まり込みで待機している。救急で運ばれてきた患者が、その病院の経験の浅い医者の手に負えないものであれば、応急処置もせずにほかの病院にまわしてしまう。

椅子に座って一時間も寝られればいいほうであり、朝方にはもうろうとしてくる。誰でも泊まり勤務はイヤだから、当直は経験五年目くらいまでの若手に押しつけられる。救急病院の当直などは、ベッドに横になることなどとてもできない。救急医療体制の充実を売り物にしている病院では、ベテランも必ず当直させるようにしているが、それでもだいたいは若手である。

自分が診たらヤバイと思えば受けつけない

医者は基本的に、自分が診たらヤバイと思えば受けつけないという。救急患者を受け入れなければならないという法律は、日本にはない。手間がかかり、当直を増やさなければならないなど、経営効率を悪くする救急医療を避ける病院は多いのだ。

だいたい救急のある病院は、医者にとってイヤなものだ。救急に備えるために、常に神経を張りつめていなければならないし、酒だって満足に飲めないという。時には、自信がなくても、受けつけなければならないケースもある。その場合はベテランの医者を呼び出すことになる。しかし夜のことなので、酒を飲んでしまっていることもある。そうなるとお手上げだ。病院をたらいまわしにされているうちに死んでしまったという話をよく聞くが、それはこうした事情によるのであることもあるらしい。

自分の身は可愛いし、病院としてもミスによって名前に傷がつくのを恐れる。経験の浅い医師が、難しいケースの多い救急患者を診るのだから、患者を救えないこともあるし、失敗やミスも多いという。自信がないままに診て死なせてしまったら寝覚めは悪いし、家族に訴えられることもある。それは困るというもので、医者としての信念もへったくれもない。

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